モリー先生との火曜日 失った心を取り戻す
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このタイトル、みなさんご存知の通りのベストセラーの本ですが、
今回取り上げたいのは、その本が映像化された映画です。

私が初めてこの映画に出会ったとき、私はまだ高校生でした。
当時の私は、映画が好きで毎日、浴びるように映画を観ていましたが
感動して鳥肌が立つことはあっても、涙を流すことはまずありませんでした。
そんな私が、映画のなかで死に直面し、本人も死に寂しさを感じながらも
自分の考えを話し続ける大学教授の存在と、それに向き合いながら変化していく、
スポーツライターの気持ちに涙を流してしまった記憶があります。

とても好きな映画の1つで、いつも心のどこかでまた観たいなとずっと思っていましたが、
振り返ってみると、これまでこの映画を他の人に紹介したことは一度もありません。
理由は、もとがアメリカのTV映画として放送されたもので、日本でも劇場公開はなく、
NHKで放送されただけというとてもマイナーな作品であったということと、
DVDで発売もされてはいますが、なかなか店頭で見かけることがないという事情がありました。また、本のほうが有名であることから、わざわざ映画として紹介しなくてもと思い、
つい人に話すことなく隠れてきてしまった映画です。

そんな、隠れた感動作がいま(2月中)、インターネット放送のGyaOで見ることができます。
私はあまりGyaOを利用しないのですが、6年程前、ふとテレビで放送されていたこの映画に出会ったときのように、珍しくサイトを訪ねた際に、またこの映画と出会うことができました。

最初に見たときから6年。前回は、教授の存在感に惹かれた私ですが、
今回はこの物語の中で、教授と向き合い気持ちが変化していくスポーツライターの方に
釘付けになってしまいました。
この主人公は、スポーツライターという仕事柄、締め切りに追われ、身近な人とのコミュニケーションがおろそかになってしまっています。
そんな主人公に、今の自分が重なって見えてきてしまったのが、今回私がスポーツライターの方に注目させられた理由です。

「やらなければいけないから、やるしかない」
周りの人からは、やりすぎ、働きすぎといわれ、仕事を削るように言われるが、
一度依頼を断れば次の依頼はほぼ来ない。
そんな状況は、スポーツライターもデザイナーも一緒なんです。
自分では、精一杯幸せをつかむために生きているつもりなのに、
その分忙しくなりどんどん身近な人との「距離」は開いていってしまう。
6年前は、何をしているんだこの主人公はと思っていた人間に、今の私はなってしまっていることに気づかされました。


数年前、大学の教育関係の授業に講演に来た方がこのような言葉を
おっしゃっておりました。

私は、「忙しい」という言葉を使うのが大嫌いです。
「忙しい」という字は
「りっしんべん」と「亡くす」という字でできています。
りっしんべんは心という意味です。つまり忙しい状態とは心を失ってしまう。
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このような状況は、教育には絶対あってはならないことなので、
私は「忙しい」という言葉は使わないようにしているというのです。

残念ながら、そのときの講義の内容は忘れてしまいましたが、
この言葉は強烈に私の心に残りました。
この映画では、まさしく心を失ってしまった状況から、
死と直面した教授とのコミュニケーションをとることで、
徐々に心を取り戻し、自分の生きる目的を手に入れていく部分に
フォーカスをあて描いています。
僕も、心を失うだけではなく、生きる喜びを感じて生きていければ
なんて素敵なのだろうと、以前観たときとは別の視点で感動させられました。


前回の記事では映画「ミュンヘン」を取り上げました。
あの映画のコピーとして、「いま、世界に問う。真の平和とは」とありましたが、
利益追求主義の行き過ぎたことによる事件が多発している現代の日本において私は
「いま、世の中に問う。真の豊かさとは」というコピーで
この映画をみなさんに紹介したいと思います。

ぜひ、GyaOにて無料で観ることができますので、
この機会にご覧になってみてはいかがでしょうか。
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by naomedia | 2006-02-07 17:37 | 映画
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