前回は、ペットから気づかされたアメリカ人の退職後の様子を書きましたが、 今回は、同じくペットから気づかされた 日本の現状について書いてみたいと思います。 日本でにおける最近のペットブームには本当に驚かされることが多々あります。 特に犬に関してですが、室内で飼う傾向が強くなり 服を着せたり、食事の多様化、ペットのためのエステのようなサービスまで始まり、 ペットから家族の一員へとその地位を確実に高めてきております。 (これらのことは、普段の生活を豊かにすばらしいことだと思います。) このような流れが起きているのは、室内で飼い易い、ミニチュアダックスやチワワのような小型犬の普及が大きいと思うのですが、 もう1つの側面が、この流れの背景にあるのではないかということに気づかされました。 その背景とは少子化です。 この10年で日本の出生率は大幅に減少しています。 今の日本では子どもが減り、ペットが増えていっているわけです。 この二つの傾向を結びつける根拠はありませんが、 子どもが1人ではどこか寂しいから、ペットでもという傾向がどこかに生まれてきているのではないかと感じさせられます。 ペットが増える理由のひとつにアメリカの退職後の生活と同様に "寂しさ"が日本の家族の中にも生まれてきているのではないでしょうか。 アメリカの場合には近くに親族がいないからでしたが、日本では子どもは1人以上は経済的に厳しいという意識が広まりから子どもが少なくなり、 その分、余裕のある生活がしたいという希望から豊かさのイメージの強いペットを飼うという傾向が強くなっていっているのではないかと感じるのです。 今回私がアメリカに滞在していて一番驚かされたことは文化の違いなどではなく、街中で子どもに頻繁に出会うという体験でした。 私が幼かった頃、約20年前になりますが、街にはもっと子どもがいたという記憶が急に蘇らされたのです。 子どもが少ない少ないといわれるよりも、少ないことが日常となってしまった日本に住んでいる私にとっては、逆に多かった頃と同じよう経験をすることが、 今、日本において本当に子どもが少ない状態なのだなと強烈に感じさせられました。 アメリカの良い面も悪い面も見てきているので、欧米の方法を真似ることだけが良い解決策だとは思いませんが、日本における少子化のネックになっているのは膨らんだ教育費の負担が問題だと思っています。 私立大学にいくことこそが良いとされているアメリカにおいて、日本ほど深刻な少子化になっていないのにはそれなりのサポートや、奨学金の制度があるからだと感じさせられるところがあります。 出産費が無料になるというな最初だけのサポートをだけではなく、その後のことが最も解決していかなければならないのではないかと感じます。 ペットから気づかされた社会について、ペット自体からは少し離れ書いてきましたが、 確かなことはどんなときでもペットは寂しさや、疲れた人の心を和ませてくれ、生活を豊かにしてくれるいつの時代もどんな場所でも人間を支えてくれるパートナーということです。 家庭内では家族とペットの境界がなくなりつつあり、世の中では格差社会が来ると言われ続けていますが今後もこの大切なパートナーである、ペットを飼うことができる、余裕のある社会が今後も発展していって欲しいと思います。
by naomedia
| 2006-09-10 02:21
| カルチャー・エデュケーション
|
menu
タグ
カテゴリ
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||